大学院留学とお金の話 留学資金の貯め方

寄り道と回り道が結局は一番の近道なんだな、という話

今回は、留学、いや、私たちの人生と切っても切り離せない、お金の話です。とにもかくにも金がなければ留学は本当に何も始まりません。逆に言えば留学は金(を出してくれる家族などの経済的なスポンサー)さえあれば誰でもできます。特にイギリスは積む金さえあれば院入学に英語力は必要ありません。IELTSで4.5出せれば院の本コースに直結したプレセッショナルコースという準備コースに入れてもらえます。ちなみに日本人のIELTS平均スコアは5.5で、4.5は雑な目安ではありますが、英検2級ぐらいのレベル感だそうです。学費を地元学生の倍払ってくれる留学生はイギリスにとって非常にいいお客さんですからね。はい。英語がギリギリわかるレベルであればそれはもうどんどん来てほしいわけですよ。なので、経済的援助してもらえるあてがある人はこの記事を読んでる暇があったら少しでも留学をエンジョイするために英語を勉強しましょう。矛盾するようですが、入学ができることと、その後で留学生活を楽しみ、かつ無事卒業できることは全く違います。


さて、太い実家や資産なんて生まれてこの方与えられなかったんだよクソが~~~な庶民派の皆さんは早速本題に入りましょう。実際問題、いくらかかるのか、どう留学費用を捻出するのか。これは、太い実家や理解のある家族を後ろ盾に天竜人たちが海の向こうへやすやすと渡っていくのを横目に必死にもがく私たち平民にとっては最重要の懸念事項です。

では最初に、何にいくらかかるのか?己を知り敵を知れば百戦危うからずです。

りのの場合(2018年、文系、地方都市:ブライトン)
■ 学費:£15,500
■ 寮費:£ 7,682、約£640/月

 En Suite(バス・トイレ付の部屋)希望する場合はこれぐらいの想定はしておくべきでしょう。ブライトンはロンドンから電車で1時間30分程度の首都近郊都市のため、賃貸相場は高めですが、これ以上高いのがロンドンです。ロンドンを拠点にする予定がある人はもう少し多めに見積もってもいいかもしれません。
■ 生活費:£6,000

食費は自炊を基本にしていれば£200ぐらいで収まりますが、交通費やら通信費やらランドリー利用費等々色々しているとなんだかんだ出てくものは多いので月£500ぐらいは見ておいた方が無難です。
■ ビザ申請費:£600

IHS(Immigration Health Surcharge)+Visa feeです。詳細についてはコロコロ変わるので、あくまで目安としてお考え下さい。ビザ申請費がほとんどタダみたいなものな国もそれなりにあるらしいですが、イギリスはやはり移民が多く需要があるので足元見てきます。
■ 海外旅行保険費:約£1,400
留学エージェントはNHSのサービスの悪さについてこれでもかと熱弁し提携する海外旅行保険との契約を勧めてきますし、確かにNHSは結構ひどいんですが、私は留学中、海外旅行保険をほぼ使うことはありませんでした。気をつけて日常を過ごす気があれば、イギリスでは必須ではないのかな…と思います。まあただ何があるのかわからないのが人生ですからね。入らなくてもいい、とは言えないです。心配なら入っておくに越したことはないでしょう。
■ 渡航費:約£600
私は片道の経由便でこれより安く買いましたが、直行便だと安くても£600ぐらいからのスタートでしょう。早めに切り上げて引き上げてくるつもりの方はオープンチケットで往復で買ったらよいですね。片道も往復も料金はあまり変わりません。
■ 引越費用:£200
民間業者を使うこともできたのですが、費用と手間の観点から日本郵便が一番良いと判断し日本郵便を利用しました。

■合計:£31,982、¥4,477,480(£1=¥140で計算)

…改めて大きい買い物であることがわかります。いやー、お金の話ってほんと嫌ですね。自分で計算しててげんなりしてしまいましたよ全く。まあでも、ほんとに先立つものがないと何も始まりません。何はともあれ、敵を知ることができました。


では次に、どう費用を捻出するのか?ここでは己の持ち物を確認してみましょう。己を知ることが大事です。まず、もしお金を転がすことが上手ければ株やら不動産投資やらで①お金を運用し増やす方法が取れますね。次に、経歴や志に確信があれば②奨学金への応募もよいでしょう。自分の経歴や志に自信がなかったとしても宝くじを買うよりは当たる確率も高いでしょうし、書類準備に非常に手間がかかりますが、応募資格がある奨学金は応募したほうがいいです。自分には無理かもしれないと思っても、とりあえず挑戦してみるというマインドは留学において非常に重要です。特に現地に行くと、とりあえず挑戦することで結構思いがけないチャンスをもらえたりします。話を奨学金に戻すと、私は結局奨学金を得ることはできなかったので、書類の書き方等は実際に奨学金で渡航された方の記事の方が参考になると思います。また、勤務先に海外研修、留学生制度等があればそれを利用するのが賢いでしょう。


私の場合は上に挙げたお金を運用する以外の全ての方法を試しましたが、うまく行かなかったため最終的には愚直に約3年間正社員として働き毎月給料の大半を③貯金しました。毎月の額面、手取り給与は大卒新卒の平均程度で全く持って高給取りではありませんでした。毎月の貯金額は手取り給与の50%を最低目標としており、出費が少なく済む月はそれ以上貯金にあてていました。寸志程度ではありましたが年に2回ボーナスがあり、それも全額貯金していました。この思い切った貯金は実家暮らしだったからこそできたことなので、間接的には実家に支援してもらったと言えるとは思います。

貯金に命をかけていた当時の私が実際どんな生活をしていたかというと、同年代の人間と比べると確かに週末出かける機会は少なかった気はしますが、切り詰めすぎて何もできなかったということはなくて、使えるお金が少ないなりに安いオンライン英会話をひたすら使い倒したり、手頃な価格のカラオケ店に月に2回ぐらい行ってみたり、脱毛の年間契約をしたり、意外と使えるお金はありました。逆に言うと、本気で切り詰めていたらもっと早く貯まったのかもしれないですね。笑 ただ、無理しすぎると心がしんで持続不可能なものになってしまうので、長期戦は覚悟しつつもある程度遊びは持たせたほうがいいでしょう。学生時代はバイトしまくっていたのでバイト時代の貯金もそこそこあって、それも含めて、最終的には約480万口座にある状態で渡英しました。

ある月の一か月家計簿、めっちゃ貯金ができた月編(手取り17万)

■貯金:13万円
■昼食代:1万円
(平日昼のみ、500円×20)
■オンライン英会話:7千円
■脱毛エステ費:1万円
■交際費+雑費:1万円
■通信費:3千円
(格安SIM)


大卒新卒のクソザコ給与でもコツコツ貯めることができれば、自分にとっての大きな一歩を踏み出すことができます。まさに継続は力なり、です。留学は決して天竜人たちだけの贅沢じゃない。

オンライン会話でフィリピン人の先生によくお世話になっていたのですが、フィリピンは物価が安い国であり、一生かかって働いたとしても英語圏の正規大学への留学など夢のまた夢だ、という話を時々聞くことがありました。その価格差を利用して私たちは格安で英語を学ぶことができているのでそれを考えると非常に複雑な気持ちになりますが、私たち多くの日本人にはまだチャンスがあるのです。また、フィリピン国籍は日本国籍より遥かに厳しいビザの審査を受けなければならず留学への壁は遥かに高い。それを考えると、大学を卒業したばかりの小娘が3年働くぐらいで大学院留学に行ける日本の経済状況、例え最盛期に比べて貧しくなっているとしても、活用しない理由がありません。

以上、結局地道に貯金するだけじゃねーか!という不器用な私による回り道ではありますが、コイツにできたなら俺/私にもできるんじゃないか?、時間がかかってもできるならやってみよう、と誰かの背中を押すことができていれば幸いです。地道にやっていきましょう。苦しくなったらここに弱音吐きにきてもいいからね。

意志あるところに道はあります。それが例え茨の道であっても。

りの

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